ナニワ金融道を描いた青木雄二さんは数々の職業に就いたその経験を惜しみげもなく描き、当時では珍しい社会的時事ネタも描きながらもお金にまつわる誰も気づかなかった事実を独特なタッチで描いてました。
ナニワ金融道に命をかけて描き、60歳になることを待たずに58歳で亡くなった原作の青木雄二さん。
彼が亡くなってもう16年の歳月が経とうとしています。
ナニワ金融道(講談社漫画文庫)
今回は青木雄二さんが描いたナニワの金融事情を再確認したいと思いマンガ「ナニワ金融道」をご紹介していきたいと思います。
ナニワ金融道の内容は?そして感想は
ナニワ金融道が連載されていた当時はまだバブル全盛の時期。
地価上昇で日本全体の景気はうなぎ登り。
商売の街大阪でこの物語が始まります。
主人公灰原は会社の社長が夜逃げし、再就職をするために面接を受けに数社行くも不採用。
偶然もらったポケットテッシュの求人に応募。
そこが物語の舞台になる帝国金融へ入社。
バラエティー豊かなメンツに囲まれ、灰原の金融道まっしぐらの人生の始まり。
物語ごとに個性豊かな名前の登場人物が現れ、お金にまつわるストーリーが始まる。
繊細かつ内容の濃いさそして下品でも感心してしまう内容はこれまでのマンガ界でも珍しい種類担っています。
そうなんです。
当時はまだネットも普及していない時代。
携帯もバカでかい物で高価で貴重なコンテンツ。
そんな情報が世間に出てこない時代に世間に響く衝撃的な内容。
ここからは私のナニワ金融道を読んだ感想を書いていきたいと思います。
この本を読んだ当時私は20代前後半。
のちに青木雄二が監修として作品に関わるカバチタレを先を読んでいました。
元々は週刊モーニングを10代後半から読んでいました。
その当時からナニワ金融道は連載されていましたが、内容もグロく独特な濃い絵が当時受けつけられず、いつもナニワ金融道はスルー。
時を経てカバチタレを読んで行政書士に憧れ、勉強もしていて法律も少しかじっていくと何がセーフでアウト、そしてグレーなのかを感じていくことになります。
同時期、勤め先を辞めることになってしばらく自分の方向性が読めない時ネットカフェで一冊の本を手に取る。
それが初めて読んでみるナニワ金融道でした。
読めば読むほど法律にはこんな逃げ道があるのか
悪い奴らこんなことをして人をはめるのか
当時の私にとっては目からウロコ。
法律の使い方をここまでマンガで指南できるのか
と考え込んでしまいました。
主人公灰原の真面目な性格から想像もつかないブラック社会への入口へ。
どんな困難にぶち当たっても通常の主人公みたいなカッコいい形には収まらないけど胸のつっかえが取れるような感覚。
特に私が夢中になりむさぼり読んでしまったのは地上げ屋社長の初めて登場したシーンと夜逃げしてからの再出発のシーン。
名前はかなりヒドイ名前なので名前を聞くだけでどれだけ変なやつなんだと思いますが、この作品の中では見た目は悪そうでも頭のいい地上屋ビジネスマン。
銀行と組んで土地開発をおこなっていたけど、灰原たちの策略にハマり夜逃げへ。
この策略を気づかず夜逃げ先から灰原へお金の相談する肉欲。
灰原も自分が夜逃げまでさせる要因を作ったからか、新しい道へ行く金銭的手伝いも。
ここから恥も外見も気にせず前へ向かっていく地上げ屋社長の姿を読んで
恥を捨ててみんなの前にどんどん出て行って私も仕事で頑張っていこう
こんな気持ちにさせてくれました。
またシリーズ最終話の手形詐欺の回は興奮して読んだ覚えがあります。
この先の展開はどうなる?
私がドキドキして読んだ内容は
ワザと足を引っ張る警察からの研修客都沢
海事代理士の落振の実力もあるのにダメ人間っぷり
地方裁判官の本音、銀行の機械的な考え
海事代理士の落振の裏技0号不渡り
映画でもここまでスリリングな内容は中々味わうことができないと思います。
最後まで裏をつく展開で、警察からやってきた都沢に対しても主導権を取らせないよう自分たちを守る。
こんな終わり方がナニワ金融道らしくて十分アリ。
最高な作品でした。
最後に
どんな金でも、金は金や!!
帝国金融の灰原の先輩桑田がこう叫んだ時があります。
この本は金融マンらしくまずお金。
人間社会どうしてもお金が関係していきます。
お金がないと生活もできません。
そのお金を背屈張ってでも守ることが第一と考えて行く為の術がここにもあります。
出版されてもう時間がかなり経っているこの作品ですが、まだまだ借金やお金のトラブルなどに困った際には役に立つようなことがあると思います。
そのような時は息を少し抜いて頭を休めて「ナニワ金融道」を読んでみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。