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書評

«書評»増田俊也「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」を読む

更新日:

choco
今柔術がブームになっているね
milk coffee
キムタクもやっているって週刊誌に載ってたよ
choco
今の柔術ブームの先駆けになった人って知ってる?
milk coffee
ヒクソングレイシー
choco
そのヒクソンの父親と戦い勝った日本人の柔道家を知ってるかな?

昨今の格闘技ブームの先駆けとなったグレイシー柔術。

柔術は日本が発祥の地だと思われる方も多いのではないかと思います。

ですが今の柔術はブラジリアン柔術と言われブラジルから逆輸入されているそうです。

そのブラジリアン柔術の当時の最強ヒクソングレイシーの父エリオグレイシーと戦後のブラジルの地で死闘を行い柔道の力を見せつけ勝利を得た日本人がいました。

その名前は

木村政彦

木村の前に木村なし、木村の後に木村なし

とまで言われた柔道界の達人です。

木村政彦がブラジルから帰国した後、日本初のプロレス興行に参加。

その時、のちの日本プロレス界の父と言われた男と遭遇します。

その名は

力道山

この二人が出会い、そして合体裏切り別れ憎しみが生まれることの真実を作家増田俊也が長い年月を経て取材し出版にまでこぎ着けた作品が

「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」

作者が様々な視点から取材をしていき、最後は心境の変化にも気づいていく。

原稿用紙1600枚、700ページを超える大著の本作。

ではさっそく″木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか″をご紹介していきたいと思います。

作者がこの本を出版する経緯は?

この本の作者増田俊也さんは元々は柔道家。

寝技中心の高専柔道と言われる七帯柔道にも取り組む。

北大柔道部の後輩には格闘家の中井祐樹(元総合格闘家、現日本ブラジリアン柔術連盟会長)がいます。

力道山との昭和の巌流島と言われた日本選手権で木村政彦の壮絶な敗北を心の中で怒り苦しんでた木村の弟子たち。

力道山に裏切られ地に落ちた、史上最強の柔道家と呼ばれる木村政彦の汚名をはらすことを念頭に取材を開始。

取材は数年にわたりおこない、ゴング格闘技にて連載がされました。

増田俊也さんはこの本がきっかけとなり作家の道へと進んでいくことになります。

本の中身は?

前項に記載しているとおり増田俊也さんが木村政彦の無念を晴らす為に長きに渡り取材。

この本では木村政彦の熊本での幼少期時代から亡くなった後までの人生を書いてます。

その中でもクライマックスになる題名にもなった力道山との遭遇。

力道山との昭和の巌流島の真実を新旧の格闘家、プロレスラー、マスコミ、当時の資料などをもとに取材し検証しています。

梶原一騎最終作「男の星座」の内容にも被っており、その内容も検証の一つにもなっています。

この作品は大宅ノンフィクション賞、新潮ドキュメント賞も受賞もしています。

読んでみた感想は?

出版当時格闘技界、プロレス界にも波紋を広げたこの作品。

事前の約束を破った力道山の裏切りは、これまでも木村政彦本人が語っており公に出ていたが公式の結果が覆っていないので今の時代にはまだ木村の負けということが一般の考え。

この考えを覆し、本当の真実を伝える為にこの作品を作り始めた増田氏。

私が一番衝撃を受けた面は、力道山の本当の実力。

色々な方面から力道山が強かった事実は間違いがなかったことが出てきます。

反対に木村は、酒と自分の実力に溺れた結果が力道山に倒される原因だという証言が沢山語られています。

本当の実力勝負の場合であったとしても、結果が見えてきてたのかも知れませんね。

一流格闘家達の意見は衝撃的でした。

そのような証言結果を受け入れずにいた増田氏。

執念の取材で敗戦を死ぬまで悔やんだ木村政彦の生涯。

誰も知らなかった事実が沢山出てきます。

ほかにも本作からはずれて、極真空手の大山倍達の知られていない真実も書かれています。

太く短く生きた力道山

生き苦しみながらも力道山よりも長く生きた木村政彦

生涯をかけた闘いにも見えてくる″木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか″でした

最後に

木村政彦は猪瀬直樹の取材にこう語ってます。

「柔道の選手権の前夜、座禅を組んだ。何時間も、ずっとだ。すると額のところに〝勝〟が浮かんできて黄金色に輝きはじめる」

「〝勝〟が出て来ないときには、日本刀を腹にあて、切っ先を食い込ませる」

「痛くない。そのままじっと待つ。すると〝勝〟が出てきたときもある」

本当の勝負師は負けてもまだ勝ちにこだわる。

力道山は自分が呪い殺したとまで言い、最後に勝ったのは自分だというところを見せ付けようとした最強の柔道家。

「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」

長編小説が好きな方はこの作品も楽しんで読めるのではないでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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