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書評

«書評»廣末登著「ヤクザの幹部をやめて、うどん店はじめました。」

元暴力団幹部の方がカタギになりうどん屋を開店したことが取り上げられていたことが話題になっています。

choco
この時の内容は話題になった回でしょ

その番組とは

NHKドキュメンタリー番組″ノーナレ″

そのお店の経営者の名前は中本さん

元々は九州で有名な暴力団幹部の一人でしたが、暴力団から足を洗い心機一転うどん屋をオープンされています。

その中本さんに注目をし、1冊の本にしたいという人が現れました。

その人は作家の廣末登(ひろすえのぼる)さん。

久留米大学文学部で非常勤講師もされている方です。

中本さんの存在を知ってお店に伺った際に申し込んだ取材に対し難色を示していた中本さんですが、廣末さんの思いが徐々に伝わりこの1冊が出来上がったそうです。

魂のこもった取材から出来上がったこの″ヤクザの幹部をやめて、うどん店はじめました。―極道歴30年中本サンのカタギ修行奮闘記―″についてご紹介していきたいと思います。

よもぎうどんだるま屋の評判は?そして経営している中本さんとは?

中本さんが経営する元祖よもぎうどんだるま屋は福岡県北九州市にあるJR小倉駅を出てすぐに商店街がありますがその場所の一角にあります。

席は15席、従業員も暴力団員から足を洗った方達を受け入れ運営しているそうです。

店名の通りよもぎうどんがオススメだそうですが、特に肉よもぎうどんが人気みたいですね。

他にも天ぷらやおむすびなどサイドメニューもあり。

味の方も評判が高くお店も繁盛しているそうです。

twitterを覗くとお店のこともよく語られています。

肉よもぎうどんも載っていましたが大変美味しそうでした。

milk coffee
店主の中本さんについてもご紹介してよ
choco
わかった〜

中本さんですが生まれはお店と一緒の場所の北九州だそうです。

親の失踪や親戚に預けられたりと小さな時から苦労しながら暮らしてきたそうです。

両親のいる北九州小倉へ戻ってきてからは不良への一直線。

高校にも入学はしたものすぐに退学をし、水商売などを経て暴力団への道へ歩んでいくことになります。

暴力団の重要なビジネスを任せられる一方、暴力団幹部までなりある事件に関わり刑務所へ服役しています。

中本さんが幹部になっていた暴力団組織は服役前までは民間人に手を出すことがなかったそうですが、刑務所から出所して組織の方針の変換からこのままではついていけないと考え離脱を決意したそうです。

暴力団を辞めてからも暴力団排除条例(暴排条例)の「元暴5年条項」によって、離脱後5年間は暴力団員と同等の扱いになってしまい随分苦労されたそうです。

この「元暴5年条項」とは銀行口座も作れない上に保険にも加入ができません。

就職先も声をかけてくれる先もありましたが、元暴力団という肩書きが邪魔をして断念せざる得ない状況。

そのような厳しい状況から周りの応援も相成り自営業のうどん屋をオープンされたそうです。

死にものぐるいで頑張った結果が今にでているのでしょう。

中本さんも頑張ったからこそ報われたのでしょうね。

読んでみた感想は?

気になる本の内容は中本さんの半生を中心に九州地方の暴力団の話が主な内容となっています。

暴力団時代の話はどれだけ組織に尽くしていていたのか。

ここまで裏側を書いていいのかなぁと思うくらいさらけ出していますね。

作者の廣末さんが中本さんから信頼を得た結果と言えるでしょう。

中でも民間人には手を出さないというタブーを破った組織に対して疑問を持ち、暴力団から辞めるという決断をしたところが一番衝撃を受けました。

サラリーマンでもいざ退職するとしても言葉で出して辞めるとは言いにくいものです。

新しい道を切り開くこと為に勇気がいるものですが中本さんのブレのない気持ちは凄いものです。

そのあとうどん屋を自営業で営むことを考えつくまでの考え方、これから暴力団を辞めることを考えている人たちへの相談、受け入れ、安全な斡旋などをおこなっている中本さん。

読んでいる中でお店へ行き、よもぎうどんを食べながらお話も聞いてみたくもなってきます。

カタギの人生をやり直して元暴力団幹部という名前との戦いをこの本で読んでいけば、苦しい人生を歩んでいる人にも勇気をもらえると思いますよ。

最後に

店主の中本さんはこう語っています。

「問題意識を自分で作り出し、それを解決しようと知恵を絞り挑戦を続ける姿勢。この問題意識を追求し続けることが、人としての自分を確立することではないか。」

「私は、ヤクザも地元で頑張った。カタギも地元で頑張りたいと誓っていた。」

悩んでそして苦労してから一からの人生を歩み始めた人だからこその言葉ですね。

最後に中本さんのこれからの繁盛並びにこれから暴力団を辞めて新しい人生をやり直す人たちも良い流れに向かうようにと願っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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